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崇城大学中長期計画

1 はじめに

本学は、戦後まもない昭和24年(1949年)、前理事長・中山義崇が「戦後日本の疲弊を救う道は産業の振興と産業人の育成にある」と痛感し、私塾を創立したときに端を発する。以来、熊本工業短期大学、熊本工業大学と発展し、約65年間に渡って、「体・徳・智」という理念の下、科学技術を通して地域社会に貢献する人材を育成してきた。その途次、社会の真の進歩のためには科学と芸術の融合が必要であることを思い、平成12年(2000年)芸術学部の新設に併せて、校名を熊本工業大学から崇城大学へと変更した。5学部体制が完成したのは、平成17年(2005年)の薬学部開設を待ってである。現在では全学科から大学院への進学の道が開かれている。振り返れば、本学の歩みは、「いのちとくらし」に関して社会の人々への奉仕の道である。

一方、平成5年(1993年)から始まった18歳人口の減少は全国の私立大学に大きな嵐となっている。平成4年(1992年)に205万人だった18歳人口は、今年、平成25年(2013年)には123万人まで減少し、その後数年間は現状を推移するが、10年後の平成35年(2023年)には107万人となり、以降は100万人を割る勢いで減少し続ける。今後10年間で約16万人減少する見通しであるが、これは本学と同規模の大学約100校(入学定員800名、大学進学率を50%とした場合)が消滅することに相当する。

このような厳しい環境の中で本学は、現理事長・中山峰男が「社会を真に救うには、たとえ一隅といえども、社会を変革し続ける能力を持つ人材の育成が急務である」と考え、その育成のため、(1)グローバル時代に対応する社会人基礎力の養成、(2)イノベーション・発明発見能力の錬磨、(3)起業家精神の陶冶、なる3方向の手段を用いて人材の育成に向かっている。(1)のために、平成23年(2011年)崇城大学教育刷新プロジェクトSEIP(Sojo Educational Innovation Project)に着手、現在はその改良と充実を図っている。(2)は卒業研究として、既にその原型が存在するが、今後はその教育内容の深化と(質の向上)、更には、アクティブ・ラーニング教育など各学年での能力開発の浸透を図る。(3)は、平成26年(2014年)から開始予定であり、この目的も、人づくりとは意欲づくりであり、志づくりであるという考えに基づく。そして、これら3項目の実践において、我々は常に「いのちとくらし」を一本の道標とし、「生命活動からアイデアを創出し社会に活かす」という連綿たる教育・研究活動を展開する。

今後、更に大学改革を進める上で、本学の10年後がどうなっているかを想定し、今から何をするべきかの目標・目的を定め、具体的な戦略・計画を練って教職協働の体制で取り組んでいくために「教育力」「研究力」「社会連携」「大学環境」をキーワードに中長期計画を策定する。

2 本学が目指す大学像

我々が目指す大学像は、グローバルな時代に対応する人材を育成するわが国でも有数の「学生の個性を活かし、夢を育てる大学」であり、「徹底した人材教育」、「学生の人的成長を促す教育」を実践する大学である。具体的に、教育においては、「人間性を重視し、いのちを尊重する人材の育成」を行い、「社会を変革する能力の育成」と「イノベーション・発明発見能力の開発」を目指す。そして、研究においては、「いのちとくらしを尊重する分野の研究に優れた大学」を目標に、中期計画のスローガンを「生命活動からアイデアを創出し社会に活かす」とし、活動を推進する。

将来我々は、これらの実践を通して自らの地域性を考えるとき、先ずは東アジアと九州の人々への貢献を主となし、引いては、世界と日本全国の人々から支持される高等教育機関・崇城大学として発展することを願う。

3 教育力を高める

3-1 教育の成果に関する目標

人間性を重視し、いのちを尊重する人材の育成

~社会を変革する能力を育成する教育の推進~

現代の大学は、高校卒業後のより深化した学びの場であることに加えて、社会の変革を担う人材の育成や知的基盤の形成、イノベーションの創出など、日本の「知の拠点」としての役割を強めている。この役割はどの大学にとっても普遍的なものであり、学生達は卒業後、母校の有名無名・中央辺境を問わず、自らが目指す社会の深層部に分け入り、そこにおいて各自の役割を見出しながらイノベーションと変革を達成しようとする。従って、我々が日本の将来を考えるとき、学生達が必要とする重要な能力がイノベーションと変革を行う能力であると結論し、それらの育成を本学の次期教育目標に据え、システムの強化を図る。

以上の観点から、次の3つの教育システムの構築と推進を目指す。

(1)社会人基礎力の陶冶(専門及び教養)・・・SEIP教育の充実と発展

(2)起業家精神(フロンティア精神)の育成

(3)イノベーション・発明発見能力の開発・・・「帰納とアナロジー」の養成

3-2 教育の内容に関する目標

生命活動からアイデアを創出し社会に活かす

~イノベーション・発明発見能力の開発を目指して~

問題解決能力という語は課題解決能力と発明発見能力という意味を含んでいる。物事を考究する活動は、活動分野が異なる場合においても、多くの場合、その解決のための方法と手段はある定まった形態を取る。現在確立されている方法に「帰納とアナロジー」と呼ばれるものがあり、理工系では「実験と類推(推論)」という方法がこれに当たる。帰納は、経験・体験を積み重ねることであり、事実を収集・観察し続けることである。アナロジーは、異なる分野からの知恵を模倣したり、ヒントを汲み取ったりする作業である。どちらの作業もその核心において、熟慮による深い洞察が必要であり、この能力の開発が我々の教育の主たる目標となる。一般に、問題解決の実践において最も大切な課程が、

(1)何が問題であるのかという問題設定(問題を汲み取る作業)

(2)どのように解決するのかというアイデアの獲得(方法・手段の選択)

であることは、研究者あまねく周知のところである。しかし、その重要性にもかかわらず、現在の大学教育において、学生達がこの知的技術を意識して学ぶという機会は少ない。そこで今回、問題解決のためのアイデアの源泉として「いのちとくらし」(=「生命活動」)という1つのキーワードを提唱し、「帰納とアナロジー」という物の見方・考え方の養成を図る。即ち、

(3)「いのちとくらし」から汲み取ったテーマへの挑戦、及び

(4)解決のヒントを「生命活動」の中に求める教育・研究活動の推進

を目指す。以上、我々はこの精神指導の技術の陶冶を教育目標として取り上げ、4年間(6年間)に渡る日常の実践活動において育成を図る。

4 研究力を高める

生命活動からアイデアを創出し社会に活かす

~いのちとくらしを尊重する分野の研究に優れた大学を目指して~

21世紀、世界は地球環境・エネルギー・健康維持の問題に直面しており、また我が国においては少子高齢社会に突入している。本学は、熊本の地にあって理系に強い中規模総合大学として、これまで高度職業人育成に努力してきた。若年人口の減少期に本学が生き残るためには、すべての分野ではなく、特定の分野で、特色ある大学、ダントツ、オンリーワンの人材育成を目指していかねばならない。そのための選択と集中が必要である。

このような観点から、本学の目指すところは、今世紀の人類社会が直面している課題である「いのちとくらし」を尊重する分野の研究で優れた、ダントツ、オンリーワンの人材育成である。つまり、本学では「豊かな人間力と本物の実践力を有する人材の育成」のために、先端的研究推進型の学生や実践的課題解決型の学生の教育と研究を「いのちとくらし」というキーワードで実行する。

特に、卒業研究や大学院の研究において、

(1)「いのちとくらし」から汲み取ったテーマへの挑戦

(2)解決のヒントを「生命活動」の中に求める活動

をすすめる。また、教員の日常研究活動においても(1)、(2)をすすめ、各専門分野においてダントツ、オンリーワンの研究成果を目指す。これら活動においては、学生教育での共通理念「帰納とアナロジー」を活用することが肝要である。

これら「いのちとくらし」を尊重する分野の研究で優れるためには、教職員が一丸となって努力すべきことは言うまでもないが、研究環境の整備、見直しもまた重要である。そこで、研究企画室の設置や学内共同研究プロジェクトの立ち上げを行い、積極的に外部資金の獲得を図り、崇城大学ブランド力を発信していく。

5 社会連携を推進する

大学の使命は教育と研究さらにはそれらの成果に基づく社会連携にあり、本学は建学の精神に則り、地域社会における文化の「府」たらんと日々活動を続けてきた。中長期計画においても、この方針を引き継ぎ、充実・発展させなければならない。

社会連携は大きく3つに分けられる。一つは地域社会の問題支援、例えば地域と連携し町おこしへの大学知的財産資源の活用、二つ目は地場産業との産学連携、三つ目に教育現場としての地域連携の活用があげられる。これまで、本学は理系総合大学の強みを発揮して、これらの連携を強力に進めてきた。例えば、計画系学科や芸術学部の教員や学生を中心とした地域との連携は数多くの地域イベントには欠かせないものとなっており、一番目、三番目の連携の成功例といえる。また、二番目の産学連携も有機薄膜やバイオテクノロジー分野などで共同研究が進んでおり、今後ますます進めて行かなければならない。

「いのちとくらし」を尊重する分野の研究に優れた大学を目指すとき、これら社会連携はますます重要になってくる。これらの活動を支える、社会連携推進本部、地域共創センターの改組充実を図って、今後十年間に備える必要がある。

6 大学環境を整備する

本学の5年後10年後の未来を見据えた長期的計画の柱(目標)は「教育力を高める」、「研究力を高める」、「社会連携を推進する」の3つであるが、これらの柱を具現化し推進して成功させるために、これらの柱の土台となる「大学環境を整備する」という目標をこの計画の第4番目の柱とした。

10、20年先の教育・研究の充実、社会連携を推進し支えるために、

(1)教育・研究システムの整備

(2)財政基盤の確立

(3)施設・設備の充実

を図ることが必要である。

(1)の教育・研究システムの整備については先に記載してある「教育力を高める」、「研究力を高める」の具体的な実施項目を確実に実行することが第一であるが、大学環境を整備していく上で、グローバル化する社会の変化等を見通しながら、受験生からのニーズが高く社会からも継続的に需要が見込まれるような成長分野の学部学科新設も考慮しながら、既設の学部学科の改組転換等の改廃を検討することが本学存続の重要なカギの一つになると考える。

次に(2)の財政基盤の確立については、向こう10年間において本学の入学定員740名を確保することを前提とした目標と計画の遂行システムが機能している戦略経営を推進する。また、基金等の外部資金や補助金の獲得計画の推進も必要である。併せて設置基準を考慮した10年後の専任教員数の明示や事務組織の再編を図りながら全国平均と比較した職員数の削減計画等のコスト管理を強化して経営の安定化を図ることが必要である。

(3)の施設・設備の充実については(1)と(2)の計画を基に学内の老朽校舎、施設整備の年次計画を策定することとともにグローバル人材の育成を目指した教育プログラムを策定し、地域社会から愛される魅力あるキャンパスつくりを推進していくことも将来計画の基盤創りに欠かすことができない重要なポイントであると考える。また一方、遊休施設等の有効活用等も視野に入れなければならない。

7 中期・長期計画の期間

長期目標(10年後の大学像)の達成に向けて、中期計画を5年間×2期とする。

第1期(平成25年4月1日から平成30年3月31日)では大方の目標を達成し、第2期(平成30年4月1日から平成35年3月31日)では長期目標の検証と更なる改革を目指す。

8 中期目標の実行項目と実行組織

8-1 中期目標の実行項目

中期目標毎に次の実行項目を定め取り組む

(1)教育力を高める

  • 社会人基礎力の陶冶を図る(専門及び教養)
  • 起業家精神(フロンティア精神)の育成を図る
  • イノベーション・発明発見能力の開発を図る

(2)研究力を高める

  • 国際水準の独創的な研究と地域社会に密着した個性的な研究を推進する

(3)社会連携を推進する

  • 総合大学としての特色を活かし、地域社会と連携する

(4)大学環境を整備する

  • 教育・研究システムの整備を推進する
  • 財政基盤の確立を図る
  • 施設・設備の充実を図る

8-2 実行組織

実行に当たっては、中期・長期計画の全体を統括するために常任理事会のメンバーで構成する「中長期計画運営委員会」を設置する。また、中期目標ごとに統括責任者を置く。

統括責任者は、実施組織を設置し、実行項目毎のアクションプログラムを決定する。また、アクションプログラムの実施には既設の委員会や新たに専門部会などを設置し、推進する。

9 おわりに

冒頭で10年後、本学は存続していないかも知れないと危機感を表明し、このことが現実のものとならないための施策をこれまで述べてきた。しかし、適切な施策も実行するのは「ひと」であり、絵に描いた餅にならないためには、危機意識の共有と改革に向けての実行力が必要となる。それには崇城大学の構成員一人ひとりの意識改革が最重要である。10年後、学生の笑顔が、教職員の笑顔が、あふれるキャンパスであるためには、一人ひとりの意識改革を図る必要があろう。意識改革が浸透してこそ「徹底した人材教育」、「学生の人的成長を促す教育」を実践する大学、「学生の個性を活かし、夢を育てる大学」を目指すことが可能になるであろう。